「大阪市大野下水処理場消化ガス発電事業」の開始について

2016.07.28

~未利用エネルギー「下水汚泥消化ガス」発電事業~

株式会社OGCTS(社長:和田洋幸 以下OGCTS)、月島機械株式会社(社長:山田和彦 以下TSK)、月島テクノメンテサービス株式会社(社長:服部博光 以下TTMS)の3社(以下「発電事業者」)は共同で、大阪市(市長:吉村 洋文)と「大阪市下水処理場消化ガス発電事業」(以下「本事業」)に関する契約を平成27年5月1日に締結し、市内4ケ所の下水処理場内で発電設備の建設を進めてまいりました。この度、1ケ所目となります「大阪市大野下水処理場」内での消化ガス発電事業を平成28年8月1日から運営開始する予定です。

大阪市大野下水処理場消化ガス発電事業の発電能力は、750kW、想定年間発電量は約5,500千kWh(一般家庭約1,500世帯相当)となります。

なお、4処理場合計の発電能力は約4,090kW、想定年間発電量は約2,580万kWh(一般家庭約7,100世帯相当)と、FIT制度(「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」に基づく固定価格買取制度)を活用した国内最大規模の下水汚泥消化ガス発電事業となります。

本事業は、民間の資金とノウハウを活用した民設民営方式による、下水処理場での消化ガス*1 発電事業です。大阪市の4処理場(大野下水処理場、海老江下水処理場、放出下水処理場、住之江下水処理)において発電事業者が自己資金で発電設備を建設、FIT制度を活用し、20年間の発電事業を行います。発電に伴い発生する廃熱は、消化槽の加温に利用し、効率的なエネルギー利用システムを構築します。

今後3社は、OGCTSが発電事業の運営、TSKが発電設備の設計・建設、TTMSが発電設備および付帯設備の保守・修繕という役割分担で20年間の本事業に取り組むことで、再生可能エネルギーの普及に貢献してまいります。

*1 下水汚泥処理の過程で発生する消化ガスは、メタンを主成分とする可燃性ガスであり、都市ガスの半分ほどの熱量を持つバイオガスです。 再生可能エネルギーの中でも下水由来の安定的な都市資源であり、地球温暖化対策のひとつとして有効利用が期待されています。

1.各処理場における発電設備概要

各処理場における発電設備概要

2.事業スキームと実施体制

事業スキームと実施体制

3.各社の強み、過去の実績

(1)OGCTS
大阪ガスの子会社として蓄積したエンジニアリング力を強みとして、ガスコージェネレーションシステム・工業炉・バーナーなどのガス設備、水処理設備、太陽光発電システムの販売、これらの設備を活用したエネルギーサービス事業の提案、LNG供給など、多岐に渡るソリューションを近畿を始めとして全国に展開しています。

(2)TSK
下水処理場における汚泥処理に強みをもち、汚泥消化設備、ガス貯留設備および発電利用設備の豊富な実績を有しています。また、上下水道におけるPFI*2 ・DBO*3 事業をはじめとした「ライフサイクルビジネス」を積極的に展開し、長期事業運営に必要な実績とノウハウを培ってきました。民設民営方式の消化ガス発電FIT事業においては 全国で9件の事業契約実績があり、うち稼動している発電所は本件を含め7箇所となります。

(3)TTMS
上下水道分野において運営・維持管理の豊富な実績を有し、現在も全国90事業所でサービスを展開しています。
*2 Private Finance Initiativeの略。公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力および技術的能力を活用して行う手法です。
*3 Design: 設計、Build:施工、Operate:運営の略。PFIに類似した事業方式の一つで、公共が資金を調達し、設計・建設、運営を民間事業者に委託する方式です。

4.循環型社会の構築 - 本事業の位置付けイメージ

循環型社会の構築 - 本事業の位置付けイメージ

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